

白痴
黒澤明監督の「白痴」を観たのは 池袋の文芸坐だった。 画面のコントラストが強烈だったのと 森雅之の迫真の演技だけを 鮮明に覚えている。 雪まつりだかで お面を付けた人達が 焚き火の周りを回るシーン。 三船敏郎とは対照的な 弱々しく怯えた森雅之。...


一力の夜
立ち食い蕎麦が好きだ。 安くて早いからいい。 なので味は二の次になる。 が、うまいに越したことはない。 山手線の恵比寿から 日比谷線に乗り換えるとこにある 立ち蕎麦のたぬき蕎麦がうまかった。 横浜関内のクラブOの前にあった 立ち蕎麦のざる蕎麦もうまかった。...


画鋲とマッチ箱
ステレオなる物が家に来たのは 小学5年の頃だった。 父ちゃんが気張って 買ってきた。 かなり嬉しかった。 が、持っているレコードは 小4の頃ジャケ買いした ダニエルビダルの「ピノキオ」の シングル盤だけだった。 でもその前に、 付いてきたお試しレコード...


名古屋だがや
高校の時、ドラムの広田君が 名古屋のYAMAHAへ通っていた。 先生は、あの゛猪俣さん゛!! すんごく羨ましかった。 そんで僕も親に頼んで 月に2回だけ習える事になった。 本当は4回だけど‥。泣 先生はS木A子先生。 どんぐり音楽会のピアニスト。...


工夫と創造
どんな音でも出す 器用な人達がいた。 まずは横浜のH君。 ギターを弾きながら 歌も歌う。 そしてギターシンセも‥。 なのでエレピやストリングスなど ギタリストが出さない音まで出してくる。 始めて演った時はめんくらった。 ピアノのパートも弾いちゃうからだ。...


半音上げたら‥
今まで数多くの歌手と仕事をしてきた。 JAZZ、POPS、ボサノヴァ、サンバ、 ラテン、ROCK、FOLK、 オールディーズから演歌、歌謡曲と いろんなジャンルの曲を演ってきた。 いろんな歌い手がいた。 あくびちゃんみたいないで立ちで 小さいバッグをグルグル回しながら...


マルエム
子供の頃 「街へ行く」と言えば 本町だった。 店は今とそんなには変わらないが 人出が全然違う。 毎日が24日市の様な感じだ。 今では信じられないが 年末なんか人だらけで クリスマスソングが流れていて すんごく幸せだった。 そんで小さい頃、一番ワクワクしたのは...


アトムの帽子
子供の頃は何でも信じてた。 遊星少年パピィのペンダント。 毎日、食べたくもないガムを 必死で噛んで応募券を貯めて 応募したのがやっと家に届いた。 「よし!これで僕も今日からパピィだ!!」 と意気込んでペンダントの笛を吹いた。 「あれっ!変身しない!!」...


カセット工場
いくら「俺はプロだ!」と意気込んでいても 仕事が無ければアルバイトだ。 窓拭きは怖くて一日で辞めた。 深夜の駐車場は時給が¥320だった。泣 N通の引越しは、おっさん達の奴隷だった。 まあまあ続いたのは、 洋服屋の店員とカセット工場だ。...


YouTubeのおかげ?
昔、家のTVは映りが悪かった。 それは、家が山に囲まれていて 電波が届きにくいからだった。 それで集落でマスプロアンテナを立てて それを何十軒もの家に分配するのだから 電波がすこぶる弱いのも当然だった。 そんな状態が普通だと思い込んでいた ばあちゃんや父ちゃんが...