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多重録音


最初はMTRからだった。

マルチトラックレコーディング

いわゆる多重録音のこと。

20代前半の頃

ティアックの4トラックの

オープンデッキとミキサーを

ローンで手に入れた。

と言ってもたったの4チャンネル。

単純に考えても4回しか録音できない。

それをステレオにしたいとなると

ピンポン録音するしか無かった。

まず1トラックに

リズムマシンと一緒にBASSを録音する。

もちろんドラムは1曲分打ち込んである。

それを聴きながらBASSをシンセで手弾きする。

今度はそれを聴きながら

ピアノを2トラックに録音。

ここで欲を出してステレオを狙うなら

1トラと2トラの音と一緒に

ストリングスなりオルガンなりを弾いて

3&4トラックにLRで録音するのだ。


そして、ここが重要なのだが、

これが基本となる土台の最終形だという事。


後で、ピアノが小さいとか

ストリングスがうるさいとか嘆いても

もういじれないのである。

ちなみにせっかくなので

ストリングスやオルガンは

リバーブなりコーラスなりをかけて

ステレオにして録音する。

さてこれで3&4トラックに

ドラム、BASS、ピアノ

それからステレオのストリングスが録音された。

そしたら1トラと2トラに入っている音を消す。

そうすると、また2つ違う楽器なり歌なりが録音できるのだ。


こういったやり方をピンポン録音、

通称“ピンポン”という。


ただ、いくらオープンテープといえども

音質は悪くなる。

高音が落ちてノイズも増えるのだ。

でもトラック数を増やしたいので

みんなピンポンをしていた。


数年が経ち8トラックデッキが安くなってきた。

そこでまたまたローンを組んで

フォーステックスの8トラのオープンを手に入れた。

8トラあれば、ピンポンしなくてもよくなった。

またこの頃はシーケンサーでシンセを何台か動かして

基本になるトラックを作り

それを8トラの1チャンネルに同期信号を録音して

同時に走らせる!というなんだか

デジタルなのにアナログ的なやり方が主流だった。

ということは、シーケンサーで動かす

シンセやドラムマシンの音と

8トラの7トラック分の音を

ミックスする16チャンネル以上のミキサーが

どうしても必要になる。


多重録音の道は金がかかるのだ。


と思い続けてうん10年、

世の中はずいぶん進歩していた。

今はDAWソフトひとつと

打ち込み用のキーボード、

それからオーディオMIDIインターフェイスがあれば

上で説明した“こめんどくさい作業”が

コンピューターの中だけで完結するのだ。

それも昔出来なかった細かい編集作業が

ソフトの中でなんでも出来る。

MIDI情報だけじゃなく

オーディオ情報までいじれる!!



それもかなり低予算で組める!


ということで、今年は20数年ぶりに

音楽制作に取り掛かろうと

今 Logic Pro Xの解説書解読に日夜取り組んでいる。

およそ500ページにもわたる本なので

毎日5ミリ程度読み進めている。

が、きのう読んだ内容が今日には忘れているので

一歩進んで二歩下がる様な毎日だ。

だが、めでたい事にきのう

MACとインターフェイス、

パワードスピーカーとCP4がつながり

音が鳴った!


道のりは遠いが亀のように行こうと思う。


ちゃんちゃん。




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