

キビシイ現場
過酷な演奏現場の話。 ピアノ弾きは 自分の楽器を持って行けない。 もちろんエレピなら持って行けるが、 生のピアノの代わりにはならない。 というか゛別物゛だと割り切って 弾かないと、腹が立ってくる。 下高井戸の某LiveHouseのピアノ。 弾いた鍵盤が元に戻らず、 いちいち直しながら弾くしかない。 そんな現場で2~3時間ピアノと格闘した。 終わったら店主が来て 「20年ぶりに音を聞いた。」だって。 酷いピアノを弾かされたものだ。 お次は某AシアでのXマスの仕事。 あれだけ調律頼んでおいたのに 弾いてみたらドレミすらわからないほど 狂いまくっていた。 ちゃんと管理してないから、 誰かにめちゃくちゃに 叩かれたのだろう。 しょうがないので そのままやったけど、 どんなに頑張っても無理。( ; ; ) 過酷と言えば横浜時代。 高級クラブでの箱バンの仕事。 お客は、ほとんどがスキンヘッド。 坊さんとヤーさまばかり。 座って3万円の高級店。 その頃、横浜にもEイズの波が来た。 ヤーさまにも2人うつった奴が‥。 1人は横浜じゅうのホステスに うつしてやると


鈴の音
不思議な事は突然起こる。 昔、父ちゃんが病床で 「琵琶が聞こえる。」と言った。 てっきり病人の幻聴だと思っていた。 が、父亡き後、自分も琵琶を聴いた。 よく晴れた昼下がり 床の間から突然それは鳴り出した。 ちゃんとした演奏だった。 壮大な曲だった。 今ならスマホで録音するのだが、 その時は、ただただ固まって聴いていた。 またもっと昔、まだ結婚してた頃、 みんなが寝静まった夜半、 突然耳元で囁かれた。 「今ついた、今ついた。」 鬼太郎の親父の様な声だった。 そしてピアノの上に置いていた スペリオが鳴り出した。 ピィ〜スゥ〜ピィ〜スゥ〜 ただ゛鳴ってるだけ゛の気持ち悪い音だった。 空耳か幻聴だと思っていたら 隣の部屋で寝ていた子供が 「誰が笛吹いてるの?」と起きて来た。 確かに鳴っていたのだ! 西田君が亡くなった日、 夜、部屋の中を鈴が走った。 左から右へゆっくりシャンシャンと 鈴が走って行ったのだ! 外ではなく確かに目の前を走って行った。 そして今、 一番気になっているyoutuberが リッチドックだ。 心霊界の革命かもしれない。 音を真似して喋


白痴
黒澤明監督の「白痴」を観たのは 池袋の文芸坐だった。 画面のコントラストが強烈だったのと 森雅之の迫真の演技だけを 鮮明に覚えている。 雪まつりだかで お面を付けた人達が 焚き火の周りを回るシーン。 三船敏郎とは対照的な 弱々しく怯えた森雅之。 しかしスジは全く覚えていない。 その゛理由゛が後で分かった。 半分くらいカットされているのだ! そりゃ分かるわけない。 黒澤監督が丁寧に編集して 完成した本編を「半分にしろ!」 と会社側から命令が下されたのだ。 そりゃ黒澤監督じゃなくても 頭にくるわな。 完璧な状態の作品を 半分にするなんて!! 黒澤さん頭にきて会社に言ったそうだ。 「切るんなら縦に切ってくれ!」 もしこの時カットしたフィルムがあれば ちゃんと元通りに戻したものを 観てみたかった、残念。 作家が全霊を込めて作った作品を 気軽になんのためらいもなく 「切れ!」とか言う奴はザラにいる。 俺もYANSA21のvol.2を創らされた時、 ミックスダウンも終わって完成してるのに 「1分切れ!」と某ダンス教室の女から言われ 頭にきた経験がある。 創る