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根気と根性、そして理論


昔、音楽学校の人達と居酒屋に行った。

5分も経たぬうちに1人の女の子が

突然立ち上がってこう叫んだ。

「ここの音楽1Hz高いんです!」

そう言い残して彼女はそそくさと帰って行った。

A=440Hzじゃないと気持ち悪いらしい。

(世の中は当時からA=441〜442Hzだ。)

また当時の彼女と呑んでたら、

「救急車がE♭で走ってった。」

「コップがGで割れた。」

などと平気で言ってる。むむむ。

世の中には何でも聞き取れる

すんごい耳の持ち主が

ごまんといるのだ。

いわゆる「絶対音感」と言うやつだ。

コレは小さい頃から音楽教育を受けないと

身には付かない。

自分はと言えば

まったく聞き取れない。

わからない。

もちろん音楽教育を受けたのは

大きくなってからだ。

なので聴音のクラスなど

2年間ずうっ〜と

最低クラスのFだった。


何が言いたいのか?


そんな僕でも「コピーする」と言う事。

もちろん音がわからないから

何度も聞いて鍵盤で探しまくる。

なのでラジカセはすぐ壊れるし

テープもビロビロに伸びた。

最近ではテープではなく

CDやYouTubeを止めたり戻したりして

必死で取っている。

だが、いかんせん耳が悪い。

何回聞いてもまったく分からない事が

しょっちゅうだ。

そういう時、役にたつのがJAZZ理論だ。

前後の辛うじて取れた音を頼りに

理論を使って予測を立てるのだ。

このムードならセカンダリーかな?

いやいや、なんだかオーギュメントっぽいから

クリシェラインかな?などと

予測して作って合わせて弾いてみるのだ。

コレを何回か繰り返してるうちに

正解っぽいやつに近づいていく。

この時、役立つのは理論だけではない。

「相対音感」と言うやつだ。

M7か?m7か?6か?dimか?

+5か?sus4か?‥

動いてる音はなんだ???

Rootか?3rdか?5thか?

鳴ってるテンションは何???

9th?♭9th?♯9th?

♭13th?13th?

この響きはⅥ度のアッパー

ストラクチュアートライアドかな?

このフレーズはオルタードっぽいなぁ?‥

などと予測を立てるのに役立つのが

「相対音感」だ。

音を取っているのではなく

雰囲気で予測しているのだ。

今まで弾いてきた何百という曲の

いろんな箇所の響きを覚えているのだ。

というか分析して覚えてきたのだ。

コレは大人になってからでも身に付く。

日々意識して音に接していればいいのだ。

例えば「何となく宙に浮いたような音」がするなぁ、

コレはどこかで聞いたぞ、そうだ!

「サンシャイン」のイントロだ。

という事はホールトーンスケールかな?

などと、音がわからなくても

予測できるのだ。

もちろんそれは自分の主観で決めればいい。

dimが自分にとって気持ちがよければ

人が何と言おうといいのである。

自分の感じ方で覚えていけばいい。

なので耳が悪くても

絶対音感がなくても

日頃から「相対音感」を

鍛えておけばいいのだ。

あとは根性だけだ。

何度も何度も聞いて

音を探して頑張る根気と根性だけ!

よく「コピーが出来ない!」と

ほざいてる人がいるが

根気と根性と、あとは理論が足りないのである。

今でも1小節取るのに

半日かかるなんてぇのは

ザラなのである。


ちゃんちゃん。










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