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半音上げたら‥


今まで数多くの歌手と仕事をしてきた。

JAZZ、POPS、ボサノヴァ、サンバ、

ラテン、ROCK、FOLK、

オールディーズから演歌、歌謡曲と

いろんなジャンルの曲を演ってきた。


いろんな歌い手がいた。


あくびちゃんみたいないで立ちで

小さいバッグをグルグル回しながら

「おはょ〜!」と登場する

A生光希嬢。

(去年お亡くなりに、残念。)

この人の譜面は強烈だった。

BだとかC♯mだとか‥

とんでもないkeyだらけなのだ。

こちとら初見なのだ。泣


でも歌は好きだったな。

パンチがあって楽しかった。

名前は言えないが

「おはょ〜!」と入って来た時は

誰だか分からず、

化粧を終えて楽屋から出てきて

やっと誰だかわかる歌手もいた。

また、歌い手の中には

毎日いろんな現場を回っている人と

そのバンドの専属の場合があった。

専属歌手なら

少しぐらい難しい譜面でも

リハがあるから平気だ。

きついのは

毎日入れ替わりでくる歌い手達。


リハが無いのだ!!

初見なのだ!!


それもバンドが2,3曲

インストをやっている最中に

3,4曲の譜面が目の前に置かれるのだ。

それでインストのエンディングが終わると

間髪を入れずカウントがくる。

初見で咄嗟にkeyや拍子、

曲調やリズムを把握し

イントロを弾き出さなければならない。

もちろんJAZZの場合など

何も書かれてはいない。

その場で考えるのだ。


書き譜もキツいけど‥。

これは鍛えられたなぁ。

Liveやコンサートなら、

リハもあるしMCも入ったりして

進行に余裕がある。

だが高級クラブの仕事だと

曲間が2秒空いたらクビだ。

ホステスから苦情が来るのだ。

話が詰まった時なんかに

音楽が潤滑油になるからだ。

オープンマイクなんか見てると

その頃の癖があるので

曲が終わっても何も喋らず

次の曲なんか探してる人を見ると

ドキドキしたり、がっかりしたり‥。

あっ、keyで思い出した。

O田女史の譜面。

この人の場合、

今度はKeyが簡単すぎて

眠たくなった。

ほとんどがFだった。

きっと場末の現場が多くて

難しいkeyの譜面なんか出すと

まともに弾いてもらえなかったんだろうな。

A生光希と対局をなしてたな。

そう言えば西荻ダイナマイツ時代。

こ生意気なオバはんがやって来た時、

ギターの河田さんが

「半音上げて演ろうぜ!」

というので半音上げて伴奏した。

そしたらオバはん

サビで声が出なくなり、

そのままステージから立ち去り

そのまま帰ってしまった!

そしたら河田さん、

「さ、インストで好きに演ろう!」

と嬉しそうにニコニコしてたな。

バックバンドを怒らせると

本番でこういう事が起こる、

というお話でした。

これと同じ事が

ミキサーの人達にもあり得るので

本番が終わるまで

スタッフには細心の気配りをしましょう!!


ちゃんちゃん。






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