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特訓シールド巻き


昔は、

なんかって言うと呑んでいた。

店で呑むと金がかかるので、

よく西田君ちで呑んだ。

大概は有馬さんと3人だった。

どうでもいい話を

ウダウダしながら

発泡酒をグイグイ呑んだ。

あの2人は

言い争いばかりしてたが

何故かいつも一緒にいた。

ある日の午後、

西田君ちに行くと

もう有馬さんも来ていた。

なんだかんだ話してたら

シールドの巻き方の話になった。

恥ずかしながら

自分はそれまで

順巻きしか知らなかった。

それを2人に責め立てられた。

「おめぇプロの癖に出来んのけ!」

とか言われた。

西田君は照明、有馬さんはPA

2人とも業界人なので

当たり前に出来るのだ。

”8の字巻き”とか

”逆相巻き”とか言うやり方。

このやり方で巻くと

シールドが絡まず

変な巻き癖もつかない。

結局、呑む前に特訓が始まった。

何故か座布団に正座させられ

シールドを持たされ特訓だ。

2,30分もやってたら

何とか出来る様になった。

これを身に付けてから

持ってるシールド類は

見事に綺麗に片付いた。

もちろん絡まないし

変な癖もない。

と言うか”寿命”まで伸びた。

今、使ってる何十本ものシールド類は、

すでに軽く30年は使っているが、

まったくへこたれていない。

大事に使えば、

こんなに保つのだ。

あの2人、普段は

ただの酔っ払いなのだが、

やる時はやるのだった。

そう言えば西田君、

ピンスポの西田と言われてた。

JAZZやROCKでの

ソロ回しの時など

誰よりも的確に照明をあてていた。

音楽が解っているのだ。

有馬さんもただのヘベレケだが、

何故か舞台上で会うと

別人の様にいい人だった。

普段、喧嘩してて仲が悪くても

舞台で会うとニコニコ顔で

走ってきたりした。

そう言えばLiveの時は

アンコールが終わるまで

いっさい酒を口にしなかったな。

有馬さんはドラムをやっていた。

全部終わってから

嬉しそうに腰に手を当てて

缶ビールを呑んでたな。

2人とも

あっちの世界に行っちゃった。

相変わらず喧嘩しながら

仲良く呑んでるんだろうな。

あっちの世界は金がいらないから

思いっきり呑めるんだろうなぁ‥。

尚ちゃんやウケさんやミドリ、

としちゃんや東や石原君、

シュガーヒルのマスターや

ライムハウスのまーちゃん‥‥、

あっちの方が賑やかだ。

ところであっちは、

呑んだらちゃんと

酔っ払うんだろうか???


まぁ、いいか。


ちゃんちゃん。






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