♪アッコちゃん来たかと‥
横浜時代の高級クラブでの話。
とにかくチャージが高い。
座るだけで¥30,000!の店。
お客は、ほとんどがスキンヘッド。
坊さんとヤーサマだらけ。
毎日、珈琲を飲みに
ロールスロイスで通う坊さんも。
毎日¥30,500!!
バンドは、ピアノトリオと
チェンジの弾き語りのおっさん。
それと日替わりで
ボーカルのオネーちゃん達が来る。
PAはいちおうあるが、
ヴォーカルのお姉ちゃんのマイクに
残響を付ける程度で
他の楽器は生音だった。
ピアノは気兼ねなく弾ける。
W Bassもそれなりにアンプで鳴らせる。
が、ドラムは蚊の鳴く様な音量で
叩かないとバランスが取れない。
店からもクレームがくる。
すべてブラシで演る訳にも行かない。
なんたってライドシンバルは
スティックじゃないとね。
それと16系なんかのハイハットも‥。
そこでドラムの大野君は考えた。
最初は竹ヒゴを束ねた奴。
だが、これも
音量はあまり抑えられなかった。
そこで次に考えたのが”菜箸”。
これならかなり音量が抑えられる。
と喜んで望んだ1stステージ。
ところが運悪く、というか
当然というか、
横に座ったヤーサマに絡まれた。
「おい、それ台所の奴だろ!」
「おい、そんなんで演るんか!」
ステージが終わるまで
絡まれまくった。( ; ; )
前にも話したが、怖わぁ〜い人だらけなのだ。
そんな店での身の毛もよだつ話。
まぁ、お化けが出たわけではないのだが、
ある日いつもの様にトリオで2,3曲演奏してた。
そこへ、Tみどりさん譜面を抱えて登場。
「KeyはG、ブルースで。」
と言ってカウントを出した。
僕は何も考えずイントロを作って弾き出した。
曲が始まって少したったら
Bassのまっちゃんが真っ青になっている。
何だ?とよくよく耳を澄ませたら、
みどりさん、英語風に歌ってはいるけど、
その歌詞は
「アッコちゃん来たかと
通りの表まで来たけれどぉ〜♪」
秘密のアッコちゃんの唄なのだ!!
確かにこれはブルースだ。
だけどこの状況で(ヤーサマだらけ)
平気で歌えるみどりさんって‥。
それと店にバレたら即クビだ。
ステージが終わっての休憩時間での
みどりさんの小悪魔的な笑い顔。
只者ではない!
あの顔とあの出来事は
一生忘れないだろう。
みどりさん、
あのあとCDデビューしたな。
ちゃんちゃん。
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