西田君のレコード
昔、中学2年の時、転校生がやって来た。歳は一つ上だった。ヒョロっとして青い顔をした人だった、養護学校に1年いたので、1年遅れで学区外から入って来たのだ。ところがすぐに学校に来なくなった。いわゆる登校拒否だ。後になって「俺は高山初の登校拒否だ!」と威張っていたが。それで学校が終わってみんなで西田君ちに遊びに行った。そしたら驚いた。まず主食がみだらしだんごだった。それからスイングジャーナルがいっぱい積んであった。そしてエレキギターがあった。アンプもあった。初めて見た。何だか大人っぽかった。それからしょっちゅう遊びに通った。つづく
西田君は41歳で突然逝ってしまった。雪の降る寒い日だった。その後、お母さんが「3年使わん物は廃品回収やな。」と言わはってレコードが処分されそうになったので、慌ててなけなしのお金を握って駆けつけたのだった。
と言うことで西田君の約5000枚のJAZZレコードが僕のところに来た。西田君の夢だった「シュガーヒルみたいな店」には程遠いが西田君の意思を継いでレコードをかけています。