JAZZ喫茶の想い出


お江戸に出て

初めて行ったJAZZ喫茶は

池袋のジャンゴだった。

狭い店内の奥に

JBLのパラゴンが

デぇぇ〜んと据えてあった。

そこで珈琲をすすりながら

いろんなJAZZを神妙に聴いた。

70年代のJAZZ喫茶は、

お喋り禁止だ。

もし少しでも喋ろうものなら

すかさず「お静かに!」と書かれた

メモがテーブルに置かれる。

どこのJAZZ喫茶でも

みんな静かにJAZZを聴いていた。

独特の暗ぁ〜いムードがあった。

ただ首や体を揺するのはOKなので

通を気取った兄ちゃん達は

みんなしきりに首を振っていた。

当時、今のように、

なんでも聴ける環境では無かったので、

良いのがかかるとトイレに行くフリをして

レコードジャケットをチラっと見て記憶し

後で隠れてメモしてた。

「ジャケットを手にとって見るってのは

田舎者か素人のやる事だ!」

みたいな暗黙のルールがあった。

またリクエストも微妙で、

とりあえず一日一回

それも変なのを頼むと

思いっきり嫌な顔をされたり

嫌味を言われたりした。

全体にどこもバップが主流で

マッコイのFly with the Wind命の僕は

かなり嫌われていて、

かかると他のお客がぞろぞろ帰ったりした。

どこのJAZZ喫茶も

70年代は、こんな感じだった。

が、これが80年代に入ると

ガラッと変わる。

ギャル風な女たちが

「JAZZはおしゃれ!」とばかりにBGMにして

べちゃくちゃガヤガヤ喋っても

「お静かに!」どころか

大歓迎な店ばっかになってしまったのだ。

なので新宿DIGなんか貴重な店だった。

80年代に入っても何年間かは、やっていた。

1Fのアカシヤでロールキャベツを食べてから

3FのDIGで珈琲と良い音のJAZZを聴く!

ってのが、かなり充実した昼下がりの楽しみだった。

高山に帰ってきて、

しばらくは引きこもり状態だったが

何年かしてシュガーヒルへ行った。

最初の何年かはマスターも怖くて

リクエストなんかも気を使ってしてたが、

だんだん打ち解けて行き

最後には「朝まで飲み明かす」

なんてことも度々あった。

昔、スティーリーダンの「ガウチョ」を、

としちゃんと聴いたのも

シュガーヒルだった。

伝説の「ウケさん」と出会ったのもここ。


70年代の正しいJAZZ喫茶のムードが

少しだけ残ってて楽しかった。

今、一番行ってみたいJAZZ喫茶は

一関のBASIE。

あのカウントベイシーも音を聴いて

「俺のバンドが見える!」と絶賛した老舗だ。

今はコロナで閉まってるけど

マスターは毎日レコードをドカン!とかけて

音質をチェックしている。

スピーカーを背中にして

聴くのがお好みらしい。

マスターは早稲田のハイソの

ドラマーだったから

バンドの気分で聴くんだろうな。

納得。


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