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白痴


黒澤明監督の「白痴」を観たのは

池袋の文芸坐だった。

画面のコントラストが強烈だったのと

森雅之の迫真の演技だけを

鮮明に覚えている。

雪まつりだかで

お面を付けた人達が

焚き火の周りを回るシーン。

三船敏郎とは対照的な

弱々しく怯えた森雅之。


しかしスジは全く覚えていない。

その゛理由゛が後で分かった。


半分くらいカットされているのだ!

そりゃ分かるわけない。

黒澤監督が丁寧に編集して

完成した本編を「半分にしろ!」

と会社側から命令が下されたのだ。

そりゃ黒澤監督じゃなくても

頭にくるわな。

完璧な状態の作品を

半分にするなんて!!

黒澤さん頭にきて会社に言ったそうだ。

「切るんなら縦に切ってくれ!」

もしこの時カットしたフィルムがあれば

ちゃんと元通りに戻したものを

観てみたかった、残念。


作家が全霊を込めて作った作品を

気軽になんのためらいもなく

「切れ!」とか言う奴はザラにいる。

俺もYANSA21のvol.2を創らされた時、

ミックスダウンも終わって完成してるのに

「1分切れ!」と某ダンス教室の女から言われ

頭にきた経験がある。

創る前に長さを指定しろよ!と言いたい。

結局Ad-libは全部残して

後テーマを無理やり1分切った。

なので突然終わる歪な作品になった。

家には切る前の完成品が

DATにちゃんと残してある。

市役所の奴らも、その女に惑わされ

俺に「切れ!!」と気軽に言いやがった。

ついでにあいつら、ギャラもちゃんとくれなかった。

なので2度と市役所関係の仕事は

しない事にしている。

クリエーターは命懸けで

作品を創っているのだ!

そこんとこ気を付けないと

大暴れするよ。

今回は嫌なことを思い出して

後半激おこになったな。

まぁ、たまにはいいか。


ちゃんちゃん。







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