コードの魔法
ギターを手にして
初めて出会ったのがコードだ。
いわゆる和音の暗号。
はじめはAmとかEmとか
簡単だけど暗くてつまらない
コードばっかだった。
しばらく頑張っていると
いろんなコードが出てきた。
それでウソFとかも覚えて
そこらの曲はそこそこ弾ける様になった。
が、当時はM7とかdimとか
訳のわからない、コードの横についてる
ヘンテコな記号は無視してた。(笑)
そうこうしているうちに
ユーミンを知る。
すんごくかっこよくて素晴らしいのに
コードがまったくわからない。
コピーも全然出来なかった。
(楽譜は買えないので何でもコピーしてた。)
まぁ、M7や6やm7やdimを
無視してる人間には解るハズは無いのだが‥。
その後、ピアノを真剣に始めて
JAZZなんかにのめり込むと
ユーミンや村井邦彦さんや
筒美京平さんや宮川泰さんの
作品の凄さがよぉ〜くわかってきた。
簡単に言えばズバリ!
セカンダリードミナントと
サブドミナントマイナーの代理なのだ。
要するに部分的な転調のテクニック。
古今東西、名曲には
この2つの要素がバッチリ入っている。
何とユーミンは、中学時代
すでに家庭教師について
JAZZ理論をすべてマスターしていた。
だから最初っから、この2つの要素が
バッチリ入った曲ばっかだったんだな。
また、僕は歌謡曲も大好きだ!
その中でも、一番好きで秀悦だと思う曲は
南沙織の「哀愁のページ」。
筒美京平さん作曲の名バラードだ。
KeyはC。
Aパートは転調なしの素直なコード進行。
秀悦なのがBパート。
F B7 Em A7 Dm Fm Dm/G G
このFからB7へ行くところが素晴らしい!!
ちなみにセカンダリードミナントは
B7(Ⅶ7)とA7(Ⅵ7)。
サブドミナントマイナーは
Fm(Ⅳm)だ。(これは代理じゃなくて本物。)
これらが部分転調しているのだ。
僕が知る限り、Fの後にB7を持ってこれる人は
筒美京平さんだけだ。
まぁ、深く、ふかぁ〜くこじつければ
F7の代理がB7なのだから‥、
などと言えなくは無いけれど。
またユーミンの「雨のステイション」。
出だしのメロディーに♯11thが!!
♪あたらしい〜 の「し」の音。
DM7のG♯の音が♯11thなのだ。
POPSで♯11thが出る曲は
そんなにはない。
「ムーンリバー」のFのとこのBの音とか、
「ハッピーバースデー」の
ディア◯のとこの◯が♯11thだ。
それでこの曲が秀悦なのが
セカンダリードミナントを使った
見事なトリックだ。
keyはA。
DM7(ⅣM7)から始まってC♯m7を通り
Em7/A(Ⅴm7/Ⅰ) というセカンダリーを使って
DM7に知らぬまに戻るのである。
ここでセカンダリーのおかげで
DM7が1M7のトニックだと
錯覚するのである。
DM7はⅣM7、サブドミナントなのにである。
またこの曲には♭9thも出てくる。
♪恋にさえも ならなかった
あの一言 の「ひと」の「と」の音だ。
ここでC♯m7がC♯7(Ⅲ7)になり
セカンダリーになっているから泣けるのだ。
この様に、コード進行やテンションが解ると
自分の好きな曲が、どうして好きなのか
どうして良いのかが解るのだ。
そこがすこぶる楽しいのだ!!
ちゃんちゃん
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